脳に直接埋め込んだ電極により、うつ病改善
世界的な科学誌『Nature』系列の医学誌で先日発表された、
カリフォルニア大学の研究者による論文。
それは、
脳への電気刺激によって
うつ病の症状が改善された
というものだった。
研究チームは5年に及ぶ臨床試験の結果をもとに、
患者一人ひとりの神経回路の特性を認識し、
最適な治療場所を探し出す技術を開発
今回、その性能を確かめるため、
重度のうつ病患者の女性(36)に対して
最適な電気刺激を行う試験が行われた
この刺激による変化を観察し、
脳の様々な位置への刺激を試行した結果、
「素敵な本を読んだ後のような幸せを感じた」
刺激する場所に応じて、
女性がポジティブになったり笑顔になったりなど変化が現れたという。
こうした最適な電気刺激を自動で与えられる
制御チップを女性に埋め込み、
経過を観察したところ、
仕事や車の運転も困難だった女性の症状が改善
「脳に電気で刺激を与えて疾患を治療していく
アプローチは10年以上前から研究されている。
うつ病の治療の効果については再現性がなかなか取れなかったのが、
今回は患者の特性に合わせた治療法をカスタマイズ、
パーソナライズすることで良い結果が得られたというところが
非常に興味深い点だと思う」
と話す。